本日5回目のブログ更新です。
20世紀初頭、富裕層が着用していたコートを2着仕入れることができました。
胸ポケットにフラップがつく年代の古い個体。この仕様はなかなか巡り会えないのでとても貴重です。
古い年代らしい、Vゾーンの詰まった首元、上襟のみベルベット素材に切り替わったラペルがラグジュアリーな印象です。
滑らかなタッチですが、素材自体は厚みがありハリもしっかりと残っています。
深みのある濃い黒色は、光の当たり方で変化が生まれ、なんとも味わいのある表情を見せてくれます。
もう一方は、グレーがかった色味の個体です。
グレーとベルベット襟のブラックカラーのトーンは、着用してみるとイヤらしさはありません。
程よく幅広のゆったりとした形で、前は深く空けるか、ボタンを留めずに着ても良いシルエットです。
懐中ポケットのデザインも大ぶりで良いアクセントになっています。
肩周りを中心に吸いつくような収まりの良い一枚です。
袖を通してみると、当時の仕立ての良さ、Aラインにふわっと広がるシルエット、クオリティの高さを実感することができます。